『私は絶対許さない』和田秀樹(監督)

和田 秀樹(監督)雪村 葉子 (原作)
映画『私は絶対許さない』について【3/5】

2018年2018年4月7日(土)よりテアトル新宿、4月14日(土)より名古屋・シネマスコーレ、4月28日(土)より大阪・第七藝術劇場にて公開ほか全国順次

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

和田 秀樹2 『私は絶対許さない』場面/平塚千瑛_整形
――90年代半ばから始まる時代を意識するところはありましたか?

和田 はい。今と街の風景だとかはそんなに変わっていないんだけど、25、6年前の東北の山村だとか東京とかいうのはちょっと意識しました。20数年前ってバブルが終わって日本が沈みかけた時代ですよね。それからこんなに長く不景気が続くなんて予想していなかったから、むしろ時間が止まった感じがしましたね。

――ほとんど原作に忠実に映画化されていますが、脚本を作る上でポイントとしたのはどんなことですか?

和田 主観が前提なんだけど、なるべく時系列に沿って連続的に描きたいということと、「離人」といって自分を客観視する自分がいるという設定は入れてくださいとお願いしました。『キャタピラー』(10)を観て、脚本家の黒沢久子さんはちょっとドロドロっとしたものを書くのが得意な方なのかな?と思ってお願いしました。ご本人はとても明るい方なんですけど。僕も結構意見を言ってやり取りをし、非常にいい脚本になったなと思います。僕は現場であれこれ指示するタイプではなく、根回しの部分でプロデューサーなりいろんな人にリクエストをするタイプの監督なので、脚本もキャスティングもスタッフ選びもわりといろんなことをお願いして撮らせていただきました。

―――主観映像の具体的な撮影方法を教えていただけますか?

和田 これはカメラが小型化したから可能になったことで、カメラマンが葉子役の女優さんの横に立ち、小さいカメラが彼女の前に来るようにします。で、演技者の顔は映らないけど、手が映ったり台詞を喋ったりということはあるから、見えないけど必ず演技者はいるんです。主観撮影というのは技術的な大変さもあるんだけど、役者さんに納得してもらうことがある意味とても重要ですね。せっかくオーディションで主演に選ばれても、スクリーンに映るシーンがものすごく少なくなってしまうので。バーチャルリアリティのような映画で主観映像を使うものは結構あるんだけど、こういう劇映画で体験世界を追いかけるというのはそんなにないと思います。今回はカメラマンがたまたま気心が知れた人で、照明もその人といつも一緒にやっている方なので、かなり思ったとおりに撮れた気がしますね。

――葉子役を演じた平塚千瑛さん、西川可奈子さんともにこういう意欲的な作品に挑戦している姿勢が素晴らしいなと思いました。それぞれ見せ場はちゃんとありましたし。お二人にはどんな指示を出されましたか?

和田 「映っていないときでも芝居をしてほしい」ということと、「その人の身になってやってください」ということだけですね。僕は演出で前もってああしろこうしろというのはあまり好きじゃないんです。役者さんは考えて脚本を読んでこられるから、まず芝居を見た上でどうしようって言いますね。今回の主演の二人はキャリアのわりにとても勘がよくてよかったです。

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私は絶対許さない ( 2018/DCP/5.1ch/119分 )
監督・企画・製作総指揮:和田秀樹 プロデューサー:小林良二
原作:雪村葉子(ブックマン社) 脚本:黒沢久子 撮影:高間賢治 音楽:三枝成彰 編集:太田義則
照明:上保正道 録音:植田中 美術:畠山和久 VFX:立石勝 特殊造形:百武朋
制作担当:嬉野智裕・酒井織人 助監督:上野貴弘 ラインプロデューサー:大原盛雄
主題歌: 出口陽「迷宮」 制作・配給:緑鐵 配給協力:渋谷プロダクション
製作:「私は絶対許さない」製作委員会 ©「私は絶対許さない」製作委員会
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4月7日(土)よりテアトル新宿、
4月14日(土)より名古屋・シネマスコーレ、
4月28日(土)より大阪・第七藝術劇場にて公開ほか全国順次

2018/04/03/19:43 | トラックバック (0)
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