カナザワ映画祭2019ノミネート / はままつ映画祭2019ノミネート
第12回オホーツク網走フィルムフェスティバル
Extremely cold prize Award受賞
轟音
2020年2月15日(土)~池袋シネマロサにて単独公開
ほか順次全国公開
それでも、生きるしかない。
ある日、誠(安楽涼)の兄が犯罪を犯した。それを苦にした父は自殺し、誠は母親に助けを求めたが、母は助けてはくれなかった。誠は家を飛び出し、自分を傷つけてくれるものを探した。そして、一人の浮浪者に出会う。彼との出会いをきっかけに、誠の生と向き合う音が静かに響き始める。
俳優の片山享の初となる長編監督作品で、国内の多数の映画祭にて観客を沸かせた『轟音』が、2020年2月15日(土)から池袋シネマ・ロサでの単独レイトショー公開、さらにその後、順次全国の劇場で公開される。
『1人のダンス』にて監督・主演をつとめた気鋭の安楽涼が、主人公の誠役を熱演、その他にも実力ある俳優陣が集結した。
監督ステートメント
「普通」をいとおしく思える映画が撮りたいと思い、はじめてオリジナル⻑編映画を撮りました。舞台は福井県で、監督の私⾃⾝が福井の出⾝です。福井県にはどこか鬱屈としたものが漂っている気がします。たぶん⼟着した⾎から逃れられないからかもしれないです。それが⼦供の頃すごく嫌いでした。だから東京に早く出たいと思い、⼤学⼊学を機に上京しました。
そして、⽅⾔が話せなくなりました。
それから何年か経ち、両親が病気になり、それをきっかけに両親共に東京に呼びました。福井の実家がなくなり、よその⼈間になったからでしょうか、そこに⽣きる⼈たちの「⽣」に対する執着を美しいと思うようになりました。
そして、⽅⾔が話せるようになりました。
誰しもが何かしらの何かを抱えて⽣きている。「普通」は、本当はもっとも幸せなことなのかもしれないと思いました。福井という認知度も低く、娯楽も少ない地で、さまざまなことを背負いながら、⼀⽣懸命に⽣きていく⼈達を描いた映画です。
- 「顔」の映画だ。俳優たちの「顔」が素晴らしく暗くて抜けていて湿っている。
それを演出したのは福井という町だ。 片山監督の心のなかの福井という町だ。
「安上がりなので地方で撮りました」というくだらないご当地商業映画が氾濫するなか『轟音』は、それらをファーストカットで粉砕する。
――森 義隆(映画監督『聖の青春』『宇宙兄弟』) - 轟音が流れている。最初から最後まで、登場人物の1人1人の頭の中に。
多分、この音は、誰しもが一度は聞いたことがあって、
多分、孤独な時に、流れるんだと思う。
多分、僕たちは、孤独な生き物で、だから人を求めるんだ。
――関口アナン(俳優 『やすらぎの刻~道』『一人の息子』)
プロデューサー:夏井祐矢・宮田耕輔 脚本:片山享 撮影/照明:深谷祐次 録音:マツバラカオリ
特殊メイク:北風敬子 編集:片山享 サウンドディレクター:三井慎介 カラリスト:安楽涼
監督・脚本:片山享
2019/日本/99分/カラー/16:9/ステレオ/DCP ©Ryo Katayama Film