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アラン・レネ監督遺作「愛して飲んで歌って」2月14日(土)より公開

アラン・レネ監督追悼
「夜と霧」35mm 上映
田原総一朗氏トーク~「夜と霧」から「愛して飲んで歌って」へ~

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2015年3月1日(日)、19時より岩波ホールにて開催

アラン・レネ監督追悼「夜と霧」35mm 上映/田原総一朗氏トーク~「夜と霧」から「愛して飲んで歌って」へ~アラン・レネ監督の命日にあたる3月1日に、レネ監督の名を世界に知らしめた衝撃のドキュメンタリー映画「夜と霧」(1955)が、岩波ホールで追悼上映される。
本作は、第二次世界大戦時にナチスによって行われたアウシュヴィッツ強制収容所でのユダヤ人大量虐殺を告発したドキュメンタリーで、当時のニュース映像や写真のコラージュによってホロコーストの実相を浮き彫りにして、観る者の意識にホロコーストという悪夢的状況そのものを刻印せしめる傑作。映像の持つ力や雄弁さをこれほど如実に感じさせる作品は滅多になく、映画ファンならずとも必見の一本と言える。
当日は、上映前にジャーナリストの田原総一朗氏をゲストに招き、『夜と霧』やヒロシマの原爆被害を題材にした『二十四時間の情事』など、戦争を題材にした重い作品を撮っていたレネ監督が、最後に遺作『人生、愛して飲んで歌って』のような軽やかな作品にたどり着いた境地を語るイベントも行われる。

夜と霧 Nuit et Brouillard

第二次世界大戦中、ナチスによるアウシュヴィッツ強制収容所でのユダヤ人を主とする大量虐殺を告発したドキュメンタリー。題名は、ヒトラーが1941年12月に出した総統命令「夜と霧」による。この事件が人々の記憶から薄れてゆくことを懸念したレネ監督が、マウトハウゼン強制収容所で地獄の苦しみを経験した詩人ジャン・ケロールの協力を得て監督した。戦後の廃墟となった収容所をとらえたカラーの映像と、人間が家畜のように処理された過去のモノクロ写真や映像を対比させた手法に、レネ監督特有の物静かな態度の中に秘めた非人道的なものに対する強い憤りが鮮烈に感じられる。なお、本年はアウシュヴィッツ収容所解放70 周年にもあたる。(日本公開1961 年10 月)


1955 年フランス映画/ドキュメンタリー/パートカラー/32 分/ザジフィルムズ配給
監督:アラン・レネ 製作:アナトール・ドーマン、フィリップ・リフシッツ
テクスト:ジャン・ケロール 撮影:ギスラン・クロケ、サッシャ・ヴィエルニ
  • 田原総一朗氏によるトーク(約32 分)の後「夜と霧」(32 分)上映
  • 料金1,200 円(税込)均一
  • ※「夜と霧」はプリント上映です。共催:クレストインターナショナル
作品紹介

第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(アルフレッド・バウアー賞)受賞/国際批評家連盟賞受賞

愛して飲んで歌って

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2015年2月14日(土)、岩波ホールほか全国順次ロードショー

『夜と霧』から『愛して飲んで歌って』へ。
世界の巨匠が最後に遺したのは、陽気でチャーミングな人間ドラマ。

映画『愛して飲んで歌って』メインイメージ2014年3月1日、巨星堕つの報せに世界がすすり泣いた。アラン・レネ監督、享年91。アウシュヴィッツ収容所でのホロコーストを告発したドキュメンタリー『夜と霧』(55)で世界に衝撃を与え、『二十四時間の情事』(59)や『去年マリエンバートで』(61)といった傑作で知られる世界の巨匠。『スモーキング/ノースモーキング』(93)以降は、軽妙洒脱なコメディ路線を打ち出し、『恋するシャンソン』(97)などの大ヒット作によって、フランスの国民的監督となった。近年はフランスの新世代監督やスティーヴン・ソダーバーグ、アルフォンソ・キュアロン、クリストファー・ノーランといったハリウッドのヒットメイカーらがレネの影響を公言するなど、世界的評価が一段と高まっていた。
2011年に日本公開された『風にそよぐ草』(09)では、ますます研ぎ澄まされてゆく感性により、もはや不死の人との思いを観る者に植え付けていた。そんな中、最期まで新作に意欲を燃やしていた巨匠の突然の訃報が世界を駆け巡った。ところが巨匠は、肩を落とす私たちになんとも驚くような贈り物を遺していってくれた。それが2014年ベルリン国際映画祭に出品された『愛して飲んで歌って』だ。レネの文学、演劇、音楽、コミックへの造詣の深さをうかがわせ、それらを融合させた軽やかでチャーミングな人間ドラマ。そんな瑞々しいレネの創意と情熱が讃えられて、ベルリン国際映画祭では通常、革新的な若手監督に与えられるアルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)を受賞。年を重ねても、常に新境地を開拓してきたレネに対する最高の賛辞となった。

まさに軽妙洒脱!
フランスのエスプリとイギリスのユーモアの見事な融合。

映画『愛して飲んで歌って』場面1タイトルにも胸躍らされる本作だが、原作は英国の戯曲家アラン・エイクボーンの「お気楽な生活」。このレネのお気に入り作家の作品は、『スモーキング/ノースモーキング』(93)『六つの心』(06)に次いで映画化3作目となる。
とある春の日の田舎道の風景から一転し、英国地図のヨーク市のあたりにカメラが寄っていくと、やがて人気バンド・デシネ(フランス漫画)作家ブルッチによる鮮やかな書割セットが現れる! そこから飛び出してくる3組の夫婦は、友人ジョルジュが末期ガンで余命わずかと知らされ大慌て。彼らは、愛すべき旧友の残り少ない人生を良きものにしようと一致団結するのだが、過去にジョルジュと関係のあった女たちは彼をめぐって火花を散らし、男たちは胸にくすぶる想いを抱えて右往左往することに。そんな人気の的のジョルジュとは、いったいどんな人物なのか……。
ミューズであるサビーヌ・アゼマを筆頭に、俳優もスタッフもレネ組といわれる仲間たちとの共同作業をこよなく愛してきたレネ。その息の合ったアンサンブルが、戯曲家エイクボーンの英国風ユーモアとフランスのエスプリが絶妙に解け合った人間ドラマを生き生きと浮かび上がらせる。不治の病で余命わずかというジョルジュには、病を気力で押しのけながら作品と取り組んでいたレネ自身がどうしても重なる。自作の中で飄々と生前葬を演出する遺作には、アゼマの「(ジョルジュは)人生を見直せと皆に言っているのかしら」という台詞をはじめ、やがて"愛して飲んで歌って、一度しかない人生を思い切り楽しんでごらん"という、巨匠の若々しく、茶目っ気に満ちたメッセージが聴こえてくるようだ。

映画『愛して飲んで歌って』場面2 映画『愛して飲んで歌って』場面3
CREDIT
監督:アラン・レネ  原案戯曲:アラン・エイクボーン「Life 0f Riley」(お気楽な生活)
出演:サビーヌ・アゼマ、イポリット・ジラルド、カロリーヌ・シオル、ミシェル・ヴュイエルモーズ、サンドリーヌ・キベルラン、アンドレ・デュソリエ
2014年/フランス/108分/カラー/シネスコ/5.1ch 原題:Aimer, boire et chanter
配給:クレストインターナショナル © 2013 F COMME FILM – FRANCE 2 CINEMA – SOLIVAGUS
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2015/02/07/14:38 | トラックバック (0)
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