映画祭情報&レポート

ポーランド映画祭2015

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2015年11月14日(土)~20日(金)まで、角川シネマ新宿にて開催

ポーランド映画というと、アンジェイ・ワイダ、クシシュトフ・キェシロフスキ、イエジー・スコリモフスキ、ロマン・ポランスキーといった世界的巨匠の作品を通してその存在を知られ、良くも悪くも彼らの作品だけで完結してしまっていたような印象があった。そんな中で、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『イーダ』(13)が、今年の米アカデミー 賞®で外国語映画賞を受賞するという快挙を成し遂げた。この出来事は、パヴェウ・パヴリコフスキ監督のような若い作家が台頭し始めているポーランド映画の新時代の幕開けを感じさせるに十分と言えるだろう。

今年で4年目を迎えるポーランド映画祭は、前出の『イーダ』を2013年にジャパン・プレミア上映するなど、日本では情報が多いとは言えないポーランド映画の最新動向を知る上で欠かすことのできない映画祭になっている。今年は、ワイダ、キェシロフスキ、スコリモフスキ、ポランスキーなど、ポーランドが誇る世界的な映画作家たちを多数輩出し、近年のポーランド映画界でもその出身者が大きな影響を及ぼしている名門・ウッチ国立映画大学を特集。19世紀のウッチを舞台にしたワイダ監督の壮大な歴史劇『約束の土地』(74)や、スコリモフスキ監督が大学在籍中に自作自演で完成させた長編第一作『身分証明書』(64)など、“ポーランド派”が活躍した1950年代から現在にいたるまで、ウッチ映画大学から生み出された4作品を上映する。

ポーランド映画祭2015また、ポーランドの最新映画を紹介する特集「ポーリッシュ・シネマ・ナウ!」では、若手監督ヤン・コマサによるワルシャワ蜂起を題材にした『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』(14)『ワルシャワ蜂起』(14)、 2015年アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にノミネートされたアネタ・コパチ監督の『ヨアンナ』(13)、トマシュ・シリヴィンスキ監督の『わたしたちの呪縛』(13)など5作品を上映する。
さらに、戦後70年という節目にあわせた特集「ワイダと戦争」では、彼自身の人生に大きな影を落とし、作品の中でも戦争の記憶を描いてきたワイダ監督の「戦争三部作」(『世代』(54)『地下水道』(56)『灰とダイヤモンド』(58))のデジタル・リマスター版一挙上映に加え、 日本未公開の貴重な作品『サムソン』(61)が初上映される。

その他、以前映画祭で紹介された作品の中で人気の高かった作品7本(ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督『縛り首の縄』(57)『サラゴサの写本』(65)『砂時計』(73)、クシシュトフ・クラウゼ監督『借金』(99)、ボリス・ランコシュ監督『裏面』(09)、パヴェウ・パヴリコフスキ監督『イーダ』、マチェイ・ピェプシツァ監督『幸せのありか』(13))がアンコール上映されるので、以前観逃してしまった人やもう一度スクリーンで観たい人は、この機会にぜひ鑑賞していただきたい。

なお、映画祭初日となる14日には、スコリモフスキ監督による舞台挨拶も行われる予定。新旧のポーランド映画の魅力に触れることができる一週間を存分に満喫していただきたい。

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2015年11月14日(土)~20日(金)まで、角川シネマ新宿にて開催

2015/11/10/17:43 | トラックバック (0)
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