上西 雄大 (監督) 映画『ねばぎば 新世界』について【4/4】
2021年7月10日(土)より新宿 K’s cinema ほか全国順次公開
公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)
――撮影は2019年夏で、コロナの影響は受けていないとのことですが、劇場公開するまでに時間がかかりましたね。
上西 本当は去年の6月に公開しようと思っていたんです。すごく延びました。
――そうですね、『ひとくず』からそんなに間を空けずに公開される予定だったと記憶しています。
上西 はい。緊急事態宣言で『ひとくず』の上映も中断されてしまい、『ひとくず』を風化させたくなかったので、それが走り切るまでは他の作品の公開は止めようと思って『ねばぎば 新世界』の公開を止めたんです。今でも『ひとくず』はロングラン上映されていますので、『ねばぎば 新世界』を観てくれた人が、また『ひとくず』を観てくれたらいいなあと。全然違う作品なので。それを願っています。
――『ひとくず』も本当に観た人からの反響の大きい作品で、もっと浸透してほしいですよね。
上西 あんな生まれ方をした映画はあの作品だけです。僕そのもののような作品に感じていて、生涯の1本になったなと思っています。
――そうですね。でも新作にも期待しています。実際『ひとくず』後すでに何本も作品を撮られていて、上西監督の勢いは止まらないなという感じですね。
上西 自分で脚本を書いてスポンサーを集め、組を編成しキャスティングして監督する、というスタイルができていますので、当分これでがんばってみようかなあと。僕としては全然平気と思っているけど、身体が「ちょっと待てよ」と言っているときがあります(苦笑)。でもコロナ禍の中、4本も5本も映画を撮ってきましたけど、コロナにかかることもなく、映画が力を与えてくれているなあという気がしました。
――映画のアイデアはどんなふうに湧いてくるんですか?
上西 子供のときに観た映画が僕の中にはすごく残っていて、あのころの映画のような映画が観たいなあと。そういう自分が観たい映画を作ろうということで、エネルギーも湧くし愛も湧くし、ということなんでしょうね。
――監督が子供のときに観て心に残っているのはどんな作品ですか?
上西 やっぱり『悪名』シリーズだとか、東映セントラルフィルムの作品も大好きでした。DVDを大事に持っていて1年に何回も観る映画が数作あるんですけど、その中でいちばん好きなのは『遥かなる山の呼び声 』(80)と『どついたるねん 』(89)ですね。何回も観ているのに最後は絶対号泣する、あそこで泣くとわかっていても何回も観てしまう。それが映画だと思うんですよね。そういう作品を作れたらなと思います。
――『ねばぎば 新世界』は人情ドラマとアクション娯楽という監督の好きな2本の要素が入った作品なんですね。個性的な脇役も多いので、シリーズ化してもっと見せてほしいと思いました。
上西 シリーズ化したいですね、できることならどんどん。『悪名』のようになれたらありがたいです。バディもののシリーズといったら『兵隊やくざ 』(65)もありますし、昔はそういうのが多かったと多います。大阪でバディもので、この二人をまた次の作品につなげたいと思います。
――勝吉とコオロギの活躍を多くの人に楽しんでもらえることを願っています。
上西 『ねばぎば 新世界』、昭和の世界観が残る、僕ら世代の人間が観ると懐かしいと感じるバディものですが、若い方々に昭和のにおいをどう受け取ってもらえるのかも楽しみにしています。ぜひ劇場でご覧いただければと思います。
( 2021年6月9日 新宿ケイズシネマで 取材:深谷直子 )
出演:赤井英和,上西雄大,田中要次,菅田俊,有森也実,小沢仁志,西岡德馬,坂田聡,徳竹未夏,古川藍,金子昇,神戸浩,
長原成樹,リー村山,堀田眞三,伴大介,谷しげる,剣持直明,國本鍾建,上山勝也,柴山勝也,草刈健太郎
監督・脚本・プロデューサー:上西雄大
撮影:前田智広、川路哲也,下元哲 照明:小山田勝治 録音:廣木邦人 音楽:ナ・スンチョル
編集:目見田健,ナ・スンチョル 制作:徳竹未夏,中村秀哉 助監督:山中太郎,上林大地
題字:小林良二 アクション監修:リー村山 ヘアメイク:山畑里奈,南原彩 衣装:中谷昌代,西川莉子
主題歌:吉村ビソー「 comme ca de 大阪」 制作: 10ANTS 配給: 10ANTS 渋谷プロダクション
©YUDAI UENISHI
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2021年7月10日(土)より新宿 K’s cinema ほか全国順次公開
- 監督:阪本順治
- 出演:赤井英和, 大和武士, 原田芳雄
- 発売日:2002/5/24
- おすすめ度:
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