インタビュー
森 義隆監督/『聖の青春』

森 義隆 (監督) 映画『聖の青春』について【3/6】

2016年11月19日(土)丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:常川拓也)

森 義隆監督2
──『ひゃくはち』の時には、「実際に高校球児の年代の人に演じてもらうことで彼らが問いを考えている様が映ればいいと思った」という風におっしゃっていました。

森 そうですね、各事務所から「野球部じゃないんだよ、役者ですよ」とクレームが来たりしましたが(笑)、野球部の役なんだから16歳の彼らが野球部になるまでやらないとカメラ回らないよって思っていました。そして、16歳の彼らが「なぜ自分はこんな辛い思いしなきゃいけないんだ」と悩むさまをフィルムに焼き付けたかった。

──あの野球部の本気にはちょっと驚かされました。

森 今回もそこの根底は一緒かなと思っています。やっぱり棋士になってほしかったし、小手先や演技力を超えたところで何が見えるか。それには脚本が必要だし、演出が必要です。ただ、自分の中では「演出の向こう側」と言っているのですが、要するに脚本がしっかりしていて演出をしきった先に役者の生身を通して撮りたいものがあるんですよね。ぼくの撮りたいものは、ずっとそれです。演出をサボるということではなくて、演出しきった先に役者の根底から出てくる無自覚なものに期待しているし、それが脚本を逸脱しても、自分の想像を絶するものであってほしい、ドキュメンタリーであってほしい。その瞬間自体が、俳優が生きている瞬間であり、役が生きている瞬間かなと思います。

──そこを導き出すためには結構追い込む演出をされるのでしょうか。

森 16歳が相手の時は追い込みましたね。でも今回はぼくのイメージでは、村山聖と松山くんの仲人をしてるような感じで、橋渡しをしていくような役割でした。

──松山さんとは色々議論もされましたか。

森 松山くんとそんなに具体的な言葉を交わしたわけではなかったですね。今回は言葉ではないなぁと思っていましたし、ぼくがどうしてほしいってことではなく、松山くんがどうしたいかということと、ぼくが感じている村山さんというものをつないでいく作業でした。

──実際に会話している場面がそれほど多い映画ではありませんよね。

森 そうですよね。ただ、(村山が羽生を連れて行く)食堂でふたりが会話する場面と盤面を挟んだふたりの対局というのは、両方とも対話として意識していました。食堂のテーブルが、対局になった時も同じように対話をしているイメージというか。それが勝負だと死闘になり、食堂だと『イタズラなKISS』の話になったりするわけです(笑)。

──全体を通して、それぞれの将棋の駒の指し方や駒を指す音が引き立てられているように感じました。

森 (対局の場面は)駒を指す音や指先の表現というものが、ふたりのキャッチボールに見えるようにしたいと思っていたので、そこはこだわりましたね。実は、駒の音はすべてアフレコしています。現場の音を使っている場合もあれば、後から差し込んだ音もありますが、そこで会話のリズムのように、あるいはふたりの会話に聴こえるように見せたいと考えていました。

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聖の青春 (2016年/日本/カラー/123分)
出演:松山ケンイチ,東出昌大,染谷将太,安田顕,柄本時生,鶴見辰吾,北見敏之,筒井道隆/
竹下景子/リリー・フランキー
原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫)
監督:森義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち』 脚本:向井康介『クローズEXPLODE』
主題歌:秦 基博「終わりのない空」 AUGUSTA RECORDS/Ariola Japan
© 2016「聖の青春」製作委員会 配給:KADOKAWA 公式サイト 公式twitter 公式Facebook

2016年11月19日(土)丸の内ピカデリー
・新宿ピカデリー他全国公開

2016/11/08/19:33 | BBS | トラックバック (0)
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