インタビュー
長谷井宏紀監督/『ブランカとギター弾き』

長谷井 宏紀 (監督)
映画『ブランカとギター弾き』について【1/5】

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2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

第72回ヴェネツィア国際映画祭で若者から贈られるマジックランタン賞とジャーナリストから贈られるソッリーゾ・ディベルソ賞の2冠に輝いた長谷井宏紀監督の長編デビュー作『ブランカとギター弾き』が7月29日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開される。
彼が実際にフィリピンで出会った人々らとともに作られた本作は、路上で生きる人々に焦点を当て、彼らの間に生まれる友情や信頼を温かく見つめていく。素朴な演出を採用することで、あくまでも同情的ないし扇情的に撮るのを回避しているのである。そして長谷井は路上に生きる小さな子どもの視点を借りて世界を捉え直すことで、人身売買がはびこるスラムの生活や仕組みを垣間見せると同時に、そのシンプリシティによって、金銭至上主義の支配が生み出す思考のサイクルが子どもたちにまで及んでいることをもにじませるのだ。
このたび、長谷井監督にインタビューする機会を得た。その言葉からは、彼の監督としての選択のひとつひとつが正しいものであったことを伺わせるはずだ。 (取材:常川拓也)
長谷井 宏紀 (はせい こうき)岡山県出身。映画監督・写真家。セルゲイ・ボドロフ監督『モンゴル』(ドイツ・カザフスタン・ロシア・モンゴル合作・米アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品)では映画スチール写真を担当し、2009年、フィリピンのストリートチルドレンとの出会いから生まれた短編映画『GODOG』では、エミール・クストリッツァ監督が主催するセルビアKustendorf International Film and Music Festival にてグランプリ(金の卵賞)を受賞。
その後活動の拠点を旧ユーゴスラビア、セルビアに移し、ヨーロッパとフィリピンを中心に活動。フランス映画『Alice su pays s‘e’merveille』ではエミール・クストリッツア監督と共演。2012年、短編映画『LUHA SA DESYERTO(砂漠の涙)』(伊・独合作)をオールフィリピンロケにて完成させた。2015年、『ブランカとギター弾き』で長編監督デビューを果たす。現在は東京を拠点に活動中。
STORY “お母さんをお金で買う”ことを思いついた孤児の少女ブランカは、ある日、盲目のギター弾きピーターと出会う。ブランカはピーターから、得意な歌でお金を稼ぐことを教わり、二人はレストランで歌う仕事を得る。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、一方で、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた……。
『ブランカとギター弾き』 『ブランカとギター弾き』場面1
──若い頃から世界中を旅して来て、貧困地域にも行かれた中で本作のインスピレーションを得たという理解で間違っていないでしょうか。

長谷井 そうですね。

──これまでにもマニラで短編を撮られていますが、それはドキュメンタリーだったのでしょうか。

長谷井 いや、フィクションの短編ですね。フィクションとドキュメンタリーを混ぜたような短編を2本(『GODOG』(2009)『LUHA SA DISYERTO』(2012))作っています。

──その時にも本作のように実際の現地の人たちを起用してフィクションとして撮られたのですか?

長谷井 そうですね。今までの短編もすべてそういうスタイルで撮っています。

──なぜそういう形を取られているのですか。

長谷井 そうやって撮るのが楽しいからです(笑)。

──過去の作品はドキュメンタリー的な撮られ方をしてるように感じましたが、今回はいわゆるドキュメンタリー的な撮り方ではなく、被写体とある程度の距離感を保って丁寧に忠実にカットを割って撮っている印象を受けます。だからこそ生々しさよりも温かみを作品からは感じます。

長谷井 今回はあんまりカメラに味付けしたくありませんでした。それと、ドキュメンタリー的なアプローチってここ最近多かったと思うんですよね。でも今回は物語はカメラのスタイルというよりも、物語のソウルを真っ直ぐ届けたいと思ったので、シンプルに撮ろうと思いました。撮影監督の大西健之くんはすごくセンスがよくてフィリピンでCMの監督もやられている方なのですが、かっこよくならないように「ダサめで」ってお願いしました(笑)。

──『GODOG』などはご自身で撮影もされていたかと思いますが、今回は最初からカメラはほかの人に任せる予定だったのですか。

長谷井 『ブランカとギター弾き』は初めての長編だったから、最初から演出に集中したいと考えていました。カメラに入ると、照明とかほかに追われることがいっぱい出てくるので、そっちに意識を持って行きたくなかったんです。それよりも信頼できる撮影監督とやろうと思いました。大西くんとは今回、初めて一緒にやりました。彼はもう11年ぐらいフィリピンで生活しています。アメリカで勉強してフィリピンに飛んで、そこでずっとコマーシャルの撮影監督をやってて、彼も今回が初めての長編映画でした。

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ブランカとギター弾き (2015 年 /イタリア/ タガログ語 / 77 分 / カラー / 5.1ch / DCP / 原題:BLANKA)
監督・脚本:長谷井宏紀
製作:フラミニオ・ザドラ(ファティ・アキン監督『ソウル・キッチン』) 制作:アヴァ・ヤップ
撮影:大西健之
音楽:アスカ・マツミヤ(スパイク・ジョーンズ監督短編『アイム・ヒア』)、フランシス・デヴェラ
出演:サイデル・ガブテロ / ピーター・ミラリ / ジョマル・ビスヨ / レイモンド・カマチョ
日本語字幕:ブレインウッズ © 2015-ALL Rights Reserved Dorje Film
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2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

2017/07/27/19:51 | BBS | トラックバック (0)
常川拓也 ,インタビュー
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