『サウダーヂ』から5年――空族、富田克也監督最新作
第69回ロカルノ国際映画祭 若手審査員・最優秀作品賞
バンコクナイツ
2017年2月25日(土)テアトル新宿ほか反撃のロードショー開始!
全国順次公開
フランスの二大新聞に絶賛評が異例の掲載!
- ロカルノはまたしても富田克也を忘れた。だが、確かに『バンコクナイツ』は頂点の一本であった。――リベラシオン紙 16/8/15付
- 富田克也はこの10年のアジア映画最大の発見。――ル・モンド紙 16/12/1付
――私の何が悪い?
歴史に翻弄された一人の娼婦を軸に描かれる禁断のラブストーリー
タイの首都、バンコク。日本人専門の歓楽街タニヤ通りの人気店「人魚」でNO.1のラックは、イサーン(東北地方)からバンコクへ出稼ぎに出て5年が経った。日本人のヒモ、ビンを連れまわし高級マンションで暮らす一方、ラックの支える大家族は、遥かラオスとの国境を流れる雄大なメコン川のほとり、ノンカーイ県に暮らしていた。ラックは種違いの弟を溺愛している。確執が絶えない実母と、今は亡きアメリカ軍人だった2番目の父との息子、ジミー。
ある晩、謎の裏パーティーで、ラックは昔の恋人オザワと5年ぶりに再会する。ノンカーイから出て来たてだったラックの初めての恋人がオザワだった。元自衛隊員のオザワは、日本を捨てバンコクで根無し草のように暮らしていた。戸惑うふたり。今のオザワはネットゲームで小銭を稼ぐ沈没組。だがラックに会うには金がいる。そんな折、オザワはかつての上官、現在バンコクで店を営む富岡に、ラオスでの不動産調査を依頼される――。
かくして、いくつもの想いを胸に秘めたラックとオザワは、バンコクを逃れるように、国境へと、ノンカーイへと向かうことになったが……
古来、国境紛争に翻弄され続けたイサーン。物語はその雄大な“イサーンの森”の闇の奥へ、舞台はやがてラオスへと、かつてインドシナを深く抉ったベトナム戦争の癒えぬ傷を映しはじめる。
2017年2月25日(土)テアトル新宿ほか反撃のロードショー開始!
全国順次公開
娼婦・楽園・植民地。タイ人娼婦と日本人客。
桃源郷を取りもどすための旅がはじまる――
前作『サウダーヂ』で、地方都市のリアルを“土方・移民・ヒップホップ”をテーマに描き、話題となった映画制作集団「空族」富田克也の最新作。
今回のテーマは、“娼婦・楽園・植民地”。構想10年にして、舞台を山梨からタイに移し、入念なリサーチを重ねて行く過程で、出会った現地の人々との交流、そこで知りえた今も深く残るベトナム戦争の傷跡、タイの抵抗の歴史など歴史的事実を知る中で、物語は重層的に響きあう182分の映画として完成した。
実在する日本人専門の歓楽街“タニヤ通り”を舞台に、そこで働く娼婦ラックが、かつて恋人であった元自衛隊員のオザワに再会することで物語は始まる。本作は、ふたりの逃避行を描くロードムービーにして、それを取り巻くタニヤ嬢たちと、バンコクに蠢く怪しい日本人たちの欲望渦巻く群像劇でもある。
バンコクから、イサーン(タイ東北地方)、そして秘境ラオスへの、総移動距離4000kmを優に超える撮影に挑み、劇中では、タイのイサーンの伝統音楽モーラム、ルクトゥーン、プア・チーウィットなど数々のイサーンミュージック―抵抗の音楽と言い換えることのできる―それら音楽にのせて空族がお贈りする、これはアジア版「千夜一夜物語」である。
監督:富田克也 脚本:相澤虎之助/富田克也
撮影・照明:スタジオ石 (向山正洋/古屋卓麿) 録音:山﨑巌/YOUNG-G DJ:SOI48/YOUNG-G
出演:スベンジャ・ポンコン,スナン・プーウィセット,チュティパー・ポンピアン,タンヤラット・コンプー,
サリンヤー・ヨンサワット,伊藤仁,川瀬陽太,田我流,富田克也
2016年/日本・フランス・タイ・ラオス/182分/DCP/配給:空族
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