夢売るふたり
http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/2012年9月8日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
新境地!女性監督・西川美和が迫る【男と女】
予測不可能な≪愛≫のエンターテイメント
『蛇イチゴ』(03年)、『ゆれる』(06年)、『ディア・ドクター』(09年)で国内外の映画賞を総なめにし、いま最も注目すべき映画監督・西川美和の新境地となる本作は、監督自らの原案を基にオリジナル脚本を執筆。人々がすれ違いながら生きる東京で、火事ですべてを失ったため結婚詐欺を企てる夫婦を通して、男と女の切なくも危うい≪愛≫を焙り出していく。騙すのか?騙されるのか? 愛してるのか?愛してないのか?前作でも人間の深層心理をえぐる描写で注目を浴びた西川監督が、初めて≪女≫を軸とし作り上げた、男と女の心と性を激しく揺さぶる、衝撃の≪ラブストーリー≫だ。
予告編で明らかになる映像では、妻(松たか子)が企て夫(阿部サダヲ)が女を騙す結婚詐欺に巻き込まれていく女と男として、結婚できない独身OL(田中麗奈)、不倫で大金を手にした女(鈴木砂羽)、家計を支えるシングルマザー(木村多江)、男運の悪い風俗嬢(安藤玉恵)、孤独なウエイトリフティング選手(江原由夏)、妻を追う暴力夫(伊勢谷友介)、女性部下と不倫する兄と、兄の不倫事情を知る弟(香川照之:2役)、夫婦を追う私立探偵(笑福亭鶴瓶)など、個性的なキャラクターが次々と登場。そして、結婚詐欺で女たちを騙していくコミカルな前半から一転、後半では男と女の本性を垣間見せる緊迫感溢れる展開に。≪愛≫に翻弄される女たちの本音に迫ったセリフも随所にちりばめられている。男と女の複雑で奥深い関係が絡み合い、運命が狂いだしていくその先に見えるものは――?本作のキャッチコピーである「人間最大の謎は、男と女」。先が読めない、予測不能でサスペンスフルな展開が待ち受けていることを予感させる、終わりまで目が離せない作りの予告編となっている。
6月28日、日経ホールにて実施
2年ぶり主演の松たか子、阿部サダヲ登壇
映画『夢売るふたり』完成披露試写会 舞台挨拶
――松さん、阿部さんをキャスティングしたきっかけは?
西川監督
映画賞か何かに(作品が)かかった時に初めてご挨拶させていただいたのですが。そこでは女優さんたちがキラキラしている中で、松さんはひっそりと座っていらっしゃって。その時、こういう言い方するの失礼かもしれないんですが、“あ、この人普通だなぁ”と思って。完全なサラブレッドなのに、普通、って、女優さんでは珍しいなと思って。
今回は“普通の人”、市井の人を描きたくて、松さんがそういう役を演じられるのかなと。あとは、内容がグロテスクな話なので、これを演じてもらう女優さんには、“品”というものが絶対必要だな、そうでないとグチャグチャになっちゃうな、と思っていたので。今回は松さんにお願いしようと思いました。阿部さんは、ずっと一緒にお仕事をさせていただきたいな、何かきっかけさえあれば…と思って狙ってたんです(笑)。お二人の組み合わせを、私も見たことないし、どういう雰囲気になるのかイメージがつかない部分もあったので。そこが化学反応を起こしてくれるとおもしろいなと思いました。お二人とも好きな役者さんだったので、このたびキャスティングしたという次第です。
――松さんと阿部さんの初共演について
松さん とても楽しかったです。お芝居をしていることを“楽しい”と思えるのは幸せだな、と思えましたので、好きな俳優さん(が共演)でよかったなと。自分の目が確かだったな(笑)、狂いはなかったと思いました。
阿部さん 共演する前の松さんのイメージは、ほんと完璧な人、欠点の無い人、という女優さんで。監督が「OK!」って言ったら「うん、わかってる」「そうでしょ」みたいな(笑)。そういう人かなと思っていたのですが、お会いしたら全然そんなことはなくて。監督からOK がかかっても「今ので良いでしょうか」と。普通…というか、さっきも入場時に転びかけてたり。普通より…下でもいいぐらい?(笑)でも芝居は本当に素晴らしい女優さんです。
――『ゆれる』『ディア・ドクター』は男性目線の映画でしたが。今回女性目線で描きたかったものは?
西川監督 女性のみっともないところ。誰も見たことのないというか、厳密にはそんなことないんだろうけど、なかなかスポットを当てられない、女の、同性からもスポットライトを当ててもらえないような、都会の片隅で一人、自分の生きる道を模索している女性というのを描いてみたいなと思いました。女の人の生活ってどんどん多様になっている、それだけに悩みも複雑で。30 代とかになってくると、色んな複雑な思いを抱き、あがきながら、歩んで行くしかない、っていう。そういう、大人の女性の“生きづらさ”を描いてみようかなというのが今回ありました。
――撮影中、印象に残っているエピソードはありますか?
松さん 最初のシーンの撮影が夜のパートだったので、撮影は夜になってから明るくなるまでの勝負だったんです。普通の人が寝静まった頃に働き出して、普通の人が働き出す頃に終わる、みたいな。こう、昼夜逆転みたいな生活をしてみて、夜のお仕事の人たちの生活が少しわかった気がしました。
――本当にたくさんの女優さんとの絡みがありましたが。
阿部さん 絡み…(笑)。それぞれの個性がおもしろかったですね。みなさんそれぞれ、(劇中では)職業がバラバラで、松さん(里子)が見つけてきた人もいれば、僕(貫也)が見つけてきた人もいるんですけれど、その人たちの役への入り方がすばらしいと思いました。上映前なのでどこまで言っていいかわからなかったので、また今度…(笑)。
西川監督 阿部さんはどの女の人と一緒にいても楽しそうでした。松さんは―…なんだろう、この人(笑)。
阿部さん たぶん、間違いなく言えるのは“お蕎麦が好き”なことですね。
西川監督 何人ものスタッフが「松さんと蕎麦に行った」と自慢していましたね。しかも蕎麦、食べるの早いんですよ。
阿部さん 蕎麦食べる以外も、現場入りも、着替えも、何でも早かった。歌舞伎の早着替えかっていうくらい(笑)。
松さん 好きです、ええ。浅草など下町がロケ地だったので、蕎麦屋を見つけては一人で入ったりしていました。
――これから観るみなさんへ一言ずつ
西川監督 お二人いつもゆったりと、全然緊張していないような雰囲気で現場にもいらしていたんですけれども。お芝居は…完璧でしたね。もう何も言うことがないぐらい、二人とも素晴らしいお芝居をしてくださって。それ(芝居)に対しての心構えも、しっかり準備されてきたなぁと感じました。全力で役に対して向き合ってくれて、非常に血の通った作品になったと思いました。是非楽しんでいってください。
阿部さん 自分がこれまで役者をやってきて、今までやったことがない役、やったことがない表情を引き出していただいたと思います。初めてなんです、こういう役。観終わった後に話したいんですが、観た後に色んな意見があっていいというか、一人一人全員違うんじゃないかっていうぐらいで。本当におもしろいですよね。今日、一緒に観に来た人と、三夜ぐらい話し合っていただけるんじゃないかっていうぐらい(笑)不思議な映画だと思います。また二、三回観て意見が変わってもいいなとも思います。
松さん 色んな見方ができる作品だと思います。自分以外の人の意見に寛容な気持ちで物語を楽しんでいってください。
やべ きょうすけ 大堀こういち 倉科カナ / 伊勢谷友介 / 古舘寛治 小林勝也 / 香川照之 / 笑福亭鶴瓶
原案・脚本・監督:西川美和
製作:「夢売るふたり」製作委員会 企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ / 配給アスミック・エース
2012 年/日本/カラー/1:1.85/ドルビーデジタル/137 分 <R-15> ©2012「夢売るふたり」製作委員会
http://yumeuru.asmik-ace.co.jp/
2012年9月8日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
- (著):西川美和
- 発売日:2012/8/9
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